このページで説明すること
このページでは、仮想通貨デリバティブ取引所のBybit(バイビット)で取引を行うなら理解しておく必要のある、資金調達率(ファンディングレート、FR)について説明します。
Bybit資金調達率チェッカー(リアルタイム更新)については、こちらで公開しています。



Bybit(バイビット)でトレードをするとき、トレード画面左上にこんな表示があることに気が付くと思います。これは一体何を表しているのでしょうか?本稿を読み終える時には、この表示の理解が進むように作成しました。
具体的に自分のポジションで資金調達率による損益がどの程度出ているのかを把握するための計算ツールや、各通貨ペアの最新の資金調達率と次回予測の情報も掲載しているので、活用いただけますと幸いです。

理解していないと、損しちゃいますよ!
時間の無い方も多いと思うので、最初に資金調達率によってトレーダーにどのような影響があるかだけ、手短に書いておきます。
まずざっくり言うと
・資金調達率は、ポジションを維持するためのスワップ手数料のようなもの
・具体的には、Bybitと他の取引所の異常な価格解離を起こさないための仕組として機能する
・状況により、手数料を支払うだけでなく、手数料を受け取ることもできる
・8時間ごと(日本時間では9:00、17:00、25:00)に、自分が持っているポジションに対して手数料がかかる
・ショートの時、手数料がプラスなら手数料分受け取ることができるが、マイナスならその分支払わなければならない
・ロングの時、手数料がプラスなら手数料分支払わなければならないが、マイナスならその分受け取ることができる
・付与/徴収される手数料は、ポジションの解消時にまとめて精算される
・2021年現在、価格乖離の程度が穏やかならば、資金調達率は0.01%程度
基本的には、これだけ理解すれば十分です。
しかし、これ以上を理解するためには、そもそも、資金調達(ファンディング)とは何かを知る必要があります。が、知らなくても全く問題ありません。
資金調達(ファンディング)とは何か
具体的に、BTC/USDペアで考えてみます。
Bybitの無期限契約(Perpetual contracts)においては、ロングポジションをとること、ショートポジションをとることは、それぞれ以下のように考えることができます。
ロングポジションの場合
契約時、一時的に手持ちのBTCを貸付けることで、USDの貸付を受けます。
ショートポジションの場合
契約時、一時的にBTCを借入れる。その借入れたBTCをさらに売却し、得たUSDを貸付けます。
この貸付・借入のプロセスこそが、資金調達(ファンディング)の正体です。このプロセス自体は自動的かつ瞬間的に行われ、結果的にはBTCとUSDの通貨の移動の影響はトレーダーに無いため、普段トレーダーには全く意識されません。
ここで重要なのは、
・ロングの場合では、BTCを貸し出しUSDを借りる
・ショートの場合では、USDを貸し出しBTCを借りる
ということである。なぜ重要かというと、通貨の貸し借りがあるということは、金利が発生することに他ならないからです。
では、次にこの資金調達に関係する資金調達率が、トレーダーの損益や行動にどのように影響するかを見ていきます。
資金調達率(ファンディングレート)とは何か
簡単には、資金調達率(ファンディングレート、FR)とは以下のように記述できます。
資金調達率(FR) = (①BTCとUSDの金利差 ± ②他取引所との乖離調整値)÷3
÷3をしているのは、資金調達率による手数料の徴収・分配を1日3回に分けているからです。
まず、①の話をします。
2021年のデータを参照して、BTCの金利が0.03%、USDの金利が0.06%ということにします(実際、これは2017年から変化がないです)。つまり、もしも②の影響がなければ、資金調達率は0.01%ということになり、現在の資金調達率の状況と直観的に一致します。
また、先ほどの資金調達(ファンディング)の概念を理解していれば、「資金調達率がプラスなら、USDを貸している側であるショーターは手数料を受け取ることができ、USDを借りている側であるロンガーはその分を支払わなければならない」のも、理解できるかと思います。
これに、②他取引所との乖離調整値が加わることで、取引所間の価格解離を調整する効果が生まれています。
この式については少々複雑なため、ここでの紹介はせず詳細は下記のnoteが詳しいため紹介させていただきます。
とにかく、他の取引所との乖離を縮小させる方向に値が修正されることは意識しておきましょう。例えば2020年2月のバブル相場では②が非常に大きく算出(+0.16)され、ショートポジションを持っている人は0.17%もの手数料を受け取ることができました。
Bybitでの資金調達率の履歴を見る方法
Bybitでは、基礎データとして過去の8時間ごとの資金調達率の履歴をすべて公開しています(リンク)。現在の市場の傾向を把握することができます。

レバレッジをかける際には資金調達率に注意
Bybitでは、最大100倍のレバレッジをかけることができますが、資金調達率に伴う手数料はレバレッジをかけた後のポジションにかかることを覚えておきましょう(実際にはレバレッジが直接関係しているのではなく、持っているポジションの価額に対して手数料がかかる、ということです)。もし手数料を徴収される方向のポジションを持っている場合は、それだけ取られる手数料も倍増するので、注意しましょう。
一方、これを逆手にとり、資金調達料を利用してアグレッシブに利益を得ることができます。
具体的には、日本時間1:00、9:00、17:00のそれぞれの時間の直前で、資金調達料を受け取れる方向にハイレバレッジの大きなポジションを瞬間的に保有し、手数料の受け渡しタイミング後すぐにポジションを解消する戦略をとることなどが考えられるでしょう。

詳しい説明はここでは割愛しますが、現物を保持しておき、その現物と同数、レバレッジ1倍でショートを行い放置するだけで、現物の価格変動による損失を完全に0に(デルタ・ニュートラル)した上で、資金調達料のみを稼ぐことができます。
ノーリスクで資金調達料分を稼ぐことができるので、長期的に現物の価格上昇が望めない場合には「聖杯」とすら呼ばれるレベルの禁じ手の戦略になりますが、現物が高騰した場合にはその恩恵を受けられないことになるので、乱用すると機会損失につながります。相場の状況を総合的に考慮して採用を検討してください。
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